こんにちは、しょーいです!
なぜか「バリキャリ / ゆるキャリ」の二択しか存在しないようにされてしまう、ワーママのキャリアにもやもやしたことはありませんか?
男性でも、なぜか「バリキャリ」一択のキャリアしか選べない状況にもやもやしませんか?
私自身、理想のキャリアをつむごうと思って書籍やセミナーから情報を仕入れても、しっくりこないで悩む日々……。
今回ご紹介する書籍、尾石晴『ワーママはるのライフシフト習慣術』は、仕事も家庭もプライベートも、自分の人生を丸ごと大事にしたい人のためにあります。
本書が普通のワーママ本と一線を画すのは、「人生」そのものに焦点を当てている点です。
いわゆるバリキャリ路線を歩んでいましたが、出産後、一気に「キャリアの迷い子」へ。子育てとの両立で思うような仕事ができず、「果たしてこのままでいいのか?」と葛藤の日々。かといって、ゆるキャリ路線でもない。しなやかな「キャリア」と「人生」を歩みたい――。
本やセミナーはどうしても1つのテーマに沿って構成されている都合上、テーマと関連がなさそうな部分は見えなくなってしまいます。
たとえば、「キャリア」に焦点を当てた本ならキャリアに関係ないと思われる部分はカット。
ときには「この人、育児や生活はどうしているんだろう……」と言いたくなるくらい(^^;
その点、本書は仕事や育児だけでなく、マネー、メンタルヘルス、社会人の学びとテーマは多様。
扱う内容が広いだけに深い掘り下げはないのですが、軽く読める割にばっちりポイントを押さえられます。
特に私が価値を感じたのは
- 著者:ワーママはるさんの実体験にもとづいている実践的なノウハウ
- 自分ノウハウを作り上げていくための思考法
ですね。
本記事では、「人間関係」「キャリア」の項を中心にポイントをまとめてみました。
良好な夫婦関係を築くポイント
夫婦は一つの共同体ではありますが、個人のキャリア・人生という視点から対立してしまうこともあります。
「パートナーが家事育児に消極的で、自分の仕事が思うようにできない……」というのはよく聞く話。私も転勤族の妻である以上、自分で選んだ人生とはいえキャリアを思うように積めないというジレンマは常に感じていました。
夫婦で綱引きになってしまいがちな問題ですが、本書を読んで得たポイントは3つ。
- 長期目線になる
- 価値観を明確にする
- 誰でもそれなりに家のことができるようにしておく
です。
引用と事例で詳しく述べていきます。
夫婦でキャリアと家事育児のバランスをとる方法
転勤族の夫についていく妻としては、異動のたびに自分のキャリアが途切れてしまうのが最大の悩み。
転居のたびに仕事を探し直すのは大変なんですよ!
最近は、「手書き履歴書を要求する会社は非合理的」と信じてPC履歴書です。
履歴書や職務経歴書を用意しても、面接で振り落とされる日々……。
社会から「いりません」と言われているようで泣けてきます。
って、ふとしたときにこみ上げてきてしまうんですよね……。
でも、キャリアってたかだか数年で積み上げられるものではありません。
細くても途切れても、長い目で続けることが重要ですよね。
長期目線でお互いのキャリアのアクセルの踏みどころを、夫婦で調整し合って、家族を運営していくほうが、健全なキャリア形成が行えるのです。
夫の転勤に帯同するといっても、子どもが高校生・大学生にもなれば、家族そろって生活する必要性はうすれてきます。
「私のキャリアは、子どもが大きくなってからアクセルを踏めば良い。今はチャンスに向けて土台を作っていればいいんだ」
と、だいぶ丸くなりました。
ちなみに、夫婦ゲンカをしていた真っ最中に読んだ おおたとしまさ『<喧嘩とセックス>夫婦のお作法』にも同様の記載がありました。
子育て夫婦における「対等」とは、いつも同じ立場・役割というのではなく、「いざというときに、仕事よりも子どもや家のことを優先する担当」に就く機会を平等にするということ。
役割を固定化してしまうより、何があっても交代できるようにしておく方がよっぽど現実的です。
仕事は自分の努力で突発的な事態を減らせるにしても、育児は親や子ども本人の努力だけではどうにもなりませんから……。
最近のしょーい家で起きた事例では、メロン好きなのにメロンアレルギー発症した息子は嘆いています。親も通院治療で嘆いています。
”価値観”を常に問い直す
共働き家庭なら、一度は「家事を効率化したい!」と思って情報収集したことがあるのではないでしょうか。
かくいう私も、一時はワーママ向け雑誌の家事特集を毎号読んではあれこれ試してみる日々を送っていました……。
料理の週末作り置きをしても、平日に温め直すと結局20分くらいかかってしまうから時間の節約にはならない……。
掃除を毎日こまめにしようとしても、子どもが散らかしたおもちゃの片付けで平日は力尽きてしまう……。
という具合に(私のことですが)、効率化の方法だけをなぞっても穴だらけのテトリスを作っているようなものです。
家事効率化や家の仕組みをつくりたかったら、一番大事なのは、「自分と家族にとって、何が必要か、何が大事か」を知ることです。
家庭に対する価値観も言語化しておかないと、効率化すべきところを見誤ってしまいます。キャリアと同じですね。
しかしキャリアと違うのは、家庭は自分一人で築き上げるものではないということ。
自分の価値観だけでなく家族一人ひとりの価値観も考慮する必要があります。
わが家の事例を一つ。
雑誌で「家事シェアのためにはモノの定位置を決めましょう!」という記事を見た私は、誰でも取り出し・片付けができるようにラベリングをしたいと思っていました。
一方で夫は、家が職場の事務用品置き場のようになるからラベリングは嫌だと考えています。
家のルールをどちらかに決めて強制すると、押し付けられた方に不満が溜まるのは明白ですよね。
そこで価値観のすりあわせをします!
- 私→子どもに自分で片付けて欲しい
- 夫→あちこちラベリングすると職場感がでて嫌
そこで、子どもと共用で使うものだけラベリングすることにしました。
文具、工作道具ですね。
ちなみに、職場感が出ないように子ども向けシールを使っています。
家事効率化や仕組みづくりの際には、価値観の話し合いが必須という事例をご紹介しました。
「母親 / 父親しかできない!」をなくす
共働き家庭では家事をどちらか1人が担うのは難しく、必然的に分担することになります。
ただ、キレイに「掃除は夫、料理は妻」というようにスパッと線引きしてしまうと、仕事が忙しい時期や子どもの看病が必要なときは手が回らずパンクしてしまいます……。
属人化を防止するコツは、相手に完璧を求めないことです。6割程度でいいので、どちらがやっても、とりあえず生活に支障がないレベルの合格ラインになっているか、また誰が見てもすぐに理解できる仕組みになっているかが大きなポイントです。
「相手に完璧を求めない、6割でOK」
超重要です。大事だから2回太字!
家の属人化防止に失敗した、私の失敗談が込められております……。
私は自分で言うのもなんですが、結構きっちりしたタイプです。
家事の属人化を改めるために、消耗品のリストやおしゃれ着の洗濯マニュアルを作ってみたりしたのですが
夫「家でも仕事してるみたいで息苦しい……」
と言われ、完璧目指して作りこむのはやめました!!
そうだよね、家ではくつろぎたいよね、ごめんね……(ーー;
ただ、私がすんなり引き下がれたのは、夫も私も「とりあえずワンオペでも何とかなる」という体制が出来上がっていたからです。
一方的な私のワンオペ状態で属人化防止の試みを否定されたらさすがに大ゲンカになっていたと思います。
頑張りすぎない、普通のワーママがキャリアを積み上げるには
女性のキャリアを考えると、「バリキャリ」か「ゆるキャリ」のほぼ二択しか見当たらないのが現状です。
「家族のことも大事にしつつ、自分のキャリアもきちんと積み上げたい」なんて思っていてもどこか諦めざるをえない空気。口に出そうものなら、「それは夢見すぎ、自分に都合よく考えすぎ」なんて言われる始末……。
余計なお世話だー!(・□・)
人並みの自分が、世間からの圧力に負けず”しなやかな”キャリアと人生を充実させるポイントは2つ。
- 価値観の言語化
- 時給思考からの脱出
です。次項から解説していきますね。
キャリアに対する価値観を言語化しておく
本書では、「キャリアのマイものさし」として、自分の選択基準を見える化することが推奨されています。
「キャリアのマイものさし」をつくっておけば、人生の岐路に立ったとき、選択に迷うときなどに、自分の判断基準となります。会社内の働き方はもちろん、転職、結婚など、さまざまな人生の節目で、自分の望む満足度の高い働き方を選択する助けとなります。
ここで私が大事だと感じたのは
「ものさし」そのものの変化を恐れないこと。
筆者は「マイものさし」の要素を
- できること………得意、強み、弱み。
- やりたいこと……望むこと。過去から何度もやっていること。
- やるべきこと……人生やキャリアで大事にしたいもの。幸せに生きるためにやるべきこと。
と考えています。これってどれも時間とともに変わるものですよね。
スキルアップをすればできることは増えるし、逆に育児&介護や自分の病気でできなくなってしまうこともあります。
やりたいことを考えてみても、就活の自己分析で描いた望みと今の望みは一致していますか?
私のやりたいことの遍歴を思い返せば、こんな感じです。
人とコミュニケーションを取ること。
↓
1人で淡々と作業すること。
(パワハラからのうつ病でコミュニケーション忌避)
↓
人のパイプ役になること。
(対人関係の天国地獄、両方を体験)
価値観は変化するのが当たり前。
「キャリアのマイものさし」も一度作っておしまいではなく、節目ごとに変化、洗練されていくものだと思います。
時間の切り売りから脱出する
本書では「生産性を上げる仕事術」の身につけ方を、4つの質にもとづいて解説しています。
会社員として書かれていますが、フリーランスにも通用するので立場を問わずおさえたいポイントです。
- 【結果の質】ゴールを重視する
- 【関係の質】「なぜ」を使って視座を上げる
- 【思考の質】枠や制約をうまく使う
- 【行動の質】タスクを細くするクセをつける
私が特に重要だと思ったのは【関係の質】です。
「なぜ」と視座をあげていくと、自分の仕事のやり方やコミュニケーション力の課題に気づけるのです。すると、外的なことに原因を求めなくなっていくので、自ずと職場の関係も良くなるし、それによって、結果的に自分の仕事力も上がっていくのです。
メンタルヘルスの観点からも、”外的なことに原因を求めない”というのは重要です。
というのも、他人の行動は変えられないから。
上司からの急な割り込みや残業依頼、「定時で帰る」といっているのに同僚からしれっと回ってくる仕事……。
「いいかげんにしてくれ!!」と心の中で半ばキレてしまうこともしばしば。
私の場合は「頼まれると断れないで引き受けてしまう」のが一因でした。
無理そうなときはきちんと断るようにすると、徐々に定時間際・締め切り間際の仕事を頼まれることは減りました。
ただ、派遣なので契約更新に不安があり、あまり多くは断れませんでしたけど……。
仕事量を減らすためにきちんと断る、というのは一例でしたが、相手の行いに腹を立てるより自分の仕事のやり方を改善する方が建設的ですし手っ取り早く効果も出ます。
”当たり前”に思っている仕事やコミュニケーションのやり方は定期的に見直したいところ。
夫婦の不公平感を乗り越える「可処分時間」の考え方
最後に、「可処分時間」の考え方は重要なので記載しておきます。
職場のワーママ間でよく話題にあがっていたのが「夫は好きなだけ残業しているのが腹立つ問題」。
社会は変わりつつあるとはいえ、まだまだ成果よりも残業時間で昇給・昇進を評価する企業が多いのも現実です。
もちろん仕事なので”好きで”残業しているわけではないのは分かるのですが、パートナーの残業時間を生み出すために自分のキャリアを犠牲にしている気がしてしまうのです。
積もり積もった将来への不安は、やがてパートナーへの不満に転化。
この状態を筆者は「私が不幸なんだから、お前も不幸になれ病」と名付けています。
もちろん、対策もあります。
将来への不安が根底にあるわけですから、将来のキャリアビジョンを夫婦間で共有すればいいのです。
ただ、将来への不安はすぐに解消されるものではありません。
状況は刻々と変わりますし、10年先、20年先のために今を耐えるのもしんどいです。
短期的に夫婦仲を良くするコツとして、「可処分時間を平等にする」と筆者は提案しています。
可処分時間とは、24時間から
- 衣食住にかかわる時間(家事、身支度、入浴など)
- 子どもといる時間(お世話だけでなく親子遊びも含む)
- 定時までの仕事時間(残業を除く)
を差し引いた時間を指します。
平たく言えば自分の意思で使い方を決められる自由時間。
残業を可処分時間にカウントするのは、自分のキャリア設計に関係するためです。
逆に子どもといる時間は、多くの場合、自分の好きなことを好きなタイミングではできません。
子どもに「あそんで~」とせがまれれば家事や趣味を中断しますよね。
イライラの原因が時間の不公平感にあると分かるだけでもしめたもの。
「今日はゆっくり本を読みたいから、1時間だけ子どもを任せていい?」
という具合に、可処分時間を公平に近づける提案を出せます。
仕事には締め切りも先方の都合もありますから、残業を含めた可処分時間をきっちり均等にするのは難しいでしょう。
だからこそ、可処分時間の公平性を意識しつつ、時間の使い方を”宣言”してしまうのが大事だと思います。
まとめ
『ワーママはるのライフシフト習慣術』より、「キャリア」「人間関係」の考え方をご紹介しました。
ポイントは
- 価値観の明確化
- 話し合い
に尽きると思います。
夫婦といっても他人ですから、話し合わなければ何も分かりません。私たちはエスパーじゃないんだ……。
女性の生き方についてまとめた書籍は数あれど、バリキャリでもゆるキャリでもない、”普通のキャリア”を選びたい人にぴったりの本はそうそうありません。
その点本書は、尾石晴さん自身が”しなやかなキャリア”を歩むために蓄積した経験がキラリと光っています。
最後に、私がもっとも感銘をうけたことばを引用して本記事を締めたいと思います。
私たちは、お互いの時間を取り合って、不幸になるために結婚したのではありません。「家族で幸せになるために結婚しているのだ」という原点に戻ります。