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【読書メモ】人の心を動かす方法論『マーケターのように生きろ』

2021年5月18日

こんにちは、しょーいです!

「世の中に貢献する!」……なんて、口に出すどころか思うだけでも気恥ずかしい。
自分には、人に役立つほど立派な能力も才能も無いしなぁ……。

と常日頃思っている私が感銘を受けた本が

井上大輔『マーケターのように生きろ 「あなたが必要だ」と言われ続ける人の思考と行動』

です。

マーケティングの手法と思考を実生活に落とし込む方法を詳細に述べています。
仕事にも、キャリア設計にも、対人関係にも創作活動にも使えます。

しょーい
汎用性の高さ!

 

独りよがりでも人に認められるくらい、人を動かせるくらい圧倒的な才能に恵まれていれば、マーケティングの手法なんていりません。

ただ、悲しいかな、私はそんな才能なんぞ持ち合わせておりません。

しょーい
親からも「器用貧乏」と評されるほど、何もかもが中途半端です……。

そんな人には、「相手をよく知り、その期待に応える」という生き方があります。自分を表現するのではなく、人の期待に応えることを追求するのです。
(中略)
自分こそが答えられる「誰かの期待」を見つけ、自分なりのやり方でそれに応えていく。これを「自分らしさ」と呼ばずして何と言いましょう

井上大輔『マーケターのように生きろ 「あなたが必要だ」と言われ続ける人の思考と行動』

「この本は私に向けて書かれている!」と深く感激しました。
当初は図書館で借りていたのですが、何度も読み込みたくなったので新刊で買い直したほどです(笑)。

「マーケティングについて知りたい!」という方には正直物足りない内容ですが、

  • マーケティングを実生活にどう活かすか知りたい
  • 仕事や趣味で求められる(評価される)人になりたい
  • 自己アピールに抵抗がある

という方にはぴったりです。

以下、私の感想を交えて詳しくご紹介します。

マーケティングを実生活に活かす方法

本書はマーケティングについて、全く学んだことがない人を想定して書かれています。マーケティングの説明は基礎の基礎から。具体的な商品を用いた実例解説があり、初学者にとっつきやすい構成です。

本書で紹介されているマーケティングの手法自体は、マーケティングに関する本ならどれにでも記載されているような基本になります。

ただ、「知っている内容ばかり」と一蹴するのは早計。

本書の特徴は、抽象的なマーケティングの手法を具体的な実生活に落とし込んでいく視点です。

 

例えば、マーケティングでは顧客が感じる価値を

  • 知覚価値:製品の機能、スペック、効能
  • 心理価値:ブランドイメージ、自己表現

の2種類に分けて考えます。

この価値の定義が間違っていると、そのあとの工程でどんなに頑張っても、努力が全て無駄になってしまいます

井上大輔『マーケターのように生きろ 「あなたが必要だ」と言われ続ける人の思考と行動』

 

例えば、パートナーの誕生日。

自分は美味しいものを食べてもらおう(=知覚価値)と外食に行ったとしても、相手が求めているのは一緒にいる安心感(=心理価値)かもしれません。

筆者は価値の分類について一段掘り下げ、

  • 実利価値:いま、役に立つこと
  • 保証価値:何かあった時に役立つこと
  • 評判価値:「アクセサリー」のように意味があること
  • 共感価値:「おまもり」のように意味があること

の4つを提示しています。

この分類に従うと、営業成績や資格取得のような「わかりやすい能力=実利価値」を重視しすぎている自分に気づけます。

「何であの人が評価されているんだ?」という不満を抱くとき、そんな皆さん自身が、同僚や上司を実利価値という尺度だけで見ているのかもしれません。
(中略)
そうした気づきが得られると、自分自身の価値もより広い視野で見つめ、磨いていくことができるようになります。

井上大輔『マーケターのように生きろ 「あなたが必要だ」と言われ続ける人の思考と行動』

しょーい
耳が痛い!

マーケティングは大学の講義程度は学んでいたけど、自分の外にある価値を無視してました

仕事で常々

「何で私の方が処理検体多いのに、仕事AもBも追加で引き受けているのに、納期破り常習犯のあいつの方が給料高いし昇進するんだー!」

と思っていましたから……やー、反省。

 

世の中にあふれる商品のターゲットがそれぞれ異なるように、自分の働きが評価されるかは相手の価値観によります。

上司や顧客、読者が価値を感じていないフィールドで必死になっても、努力と成果は比例しませんね。

 

価値のフレームワークを理解すると、このように今まで人の心のひだに隠れて見えなかった価値が浮かび上がって見えてきます。ここでは上司と部下の関係を例にあげましたが、これは親子を含むあらゆる人間関係に応用できます。

井上大輔『マーケターのように生きろ 「あなたが必要だ」と言われ続ける人の思考と行動』

「マーケティングを生活に適用する」と考えるとハードルが上がりますが、要するに「相手の求めに応える」と言って差し支えありません。

自分の欲求を排して「相手の求め」を探るために、マーケティングの手法を使う、という方が近いですね。

求められる人になる方法

マーケティングは、「人の求めに応える」ための考え方です。

人とは誰か?
仕事なら上司、同僚、顧客。趣味なら仲間や友人。
家族からSNS のフォロワーまで、適用範囲は幅広いです。

では、どうすれば「求められる人」になれるのか。

本書から学んだヒントです。

意思決定の基準を「貢献」に置く

普段から「誰に」「どう貢献するか」を考えながら意思決定をしている、と言える人はどのくらいいるでしょうか。

そもそも、「意思決定の基準はこれ!」と説明できる人の方が少数派ではないでしょうか。

しょーい
私は説明できません……。

その時々の意思決定について説明することはできますが、一貫した基準があるかと問われれば苦しいです。状況次第。

 

しかし筆者は、キャリア設計における「計画された偶然」理論を引いて、「一貫性が偶然を『キャリアアップ』につなげる」と語ります。 

「偶然」を「キャリアアップの機会」に変えるには、そうしたカードの選択を一貫性をもって行うことが重要です。そして、その一貫性の拠りどころを、これまでの工程で策定した「誰に」「どう貢献するか」に求めるのが、「マーケターのように」自分自身の価値をつくりだすということなのです。
(中略)
「誰に」「どう貢献するか」が定まらないうちは、シンプルに「貢献」を意識するだけでもかまいません。迷ったら少しでも多くの人に貢献できる方法を選べ、です。

井上大輔『マーケターのように生きろ 「あなたが必要だ」と言われ続ける人の思考と行動』

当たり前ですが、「貢献」しない人に新しい仕事をお願いしようとは考えにくいですよね。
チャンスは「貢献」する人に巡ってくることが多い。

人に選ばれるには

  1. 覚えてもらう
  2. 好きになってもらう
  3. 選んでもらう

の3ステップを踏んでいく必要があります。

「貢献」すれば、自然と1&2は満たせるわけです。

 

「貢献しているのに評価されない!」と感じることがあるかもしれません。

そんな時は、相手が「貢献」と感じる価値と、自分が「貢献」と考えている価値に隔たりがあります。

一歩戻って「価値の定義」から検討し直しましょう。

内容+伝え方に心を砕く

本書を読み終えて真っ先に感じたのが、「相手に合わせることは“媚び”ではない」ということ。

筆者は「What to say(何を言うか)」だけでなく、「How to say(どう言うか)」に心を配る重要性を説きます。

「理解する」と「腹落ちする」は、別の話です。頭では理解していても、ちゃんと腹に落ちていないと人の心や行動は変わりません。マーケターは人の心や行動を変えなくてはいけないので、それではいけません。

井上大輔『マーケターのように生きろ 「あなたが必要だ」と言われ続ける人の思考と行動』

伝えたいことを伝えるために、伝わる表現をとことん模索する。
これが相手に合わせることであり、妥協や媚びとは正反対の姿勢だと感じました。

価値が伝わらなければ、無いも同然だからです。

 

私は1人の同人作家として、

「自分が好きに書いたものに共感してくれる人が一人でもいれば十分」

くらいにしか思っていませんでした。仕事じゃなくて趣味だし、と。

でもね、

 

……それじゃあ伝えたいことは伝わらないんだよぉぉぉぉぉ!!!

 

と、目から鱗どころかマンホールの蓋が落ちたくらいの衝撃を本書から受けました。

 

自分の思うがままに表現した作品には、読み手がいません。
天才的な感性で人を惹きつける人ももちろんいるでしょうが、ごくごく普通の人は他者に興味を持ってもらうだけでも一苦労です。

ターゲットとなる人物を意識して、相手は何に興味があるのか、何に価値を感じるのか、どのように伝えるのが効果的かを考えて工夫し抜く。

「神は細部に宿る」と言いますが、内容だけでなく伝え方も徹底的にこだわりたいですね。

とことん具体的に考える

大学や書籍で「マーケティング理論」をいくら学んでも、抽象論止まりです。

そこで筆者は「真実の一人の顧客」という、限りなく具体的な個人を提案します。

ここで注目してほしいのは、「ノウハウ」ではなく「思想」です。相手からスタートし、相手と対話をしながらコンテンツをつくりあげていくという考え方・心の持ち方なのです。
(中略)
そのフィクションは「真実の一人の顧客」から始める必要があります。他でもないその人の役に立ちたいその人の困りごとを解決してあげたい、という人間としての素直な感情からスタートします。

井上大輔『マーケターのように生きろ 「あなたが必要だ」と言われ続ける人の思考と行動』

不特定多数に向けて書いた文章だとしても、具体的な「個人」をイメージした上で、時には直接意見を求めて、伝え方を練り上げていく。

「コンテンツ」であれば、文章でも音楽でも企画でも、何にでも応用できそうです。

自己アピールへの抵抗感が弱まる

「自分はまだまだ実力不足だから……」
「目立つと叩かれそう……」

自己アピールに抵抗を感じる場合、「相手の役に立つ」という目的に集中できてないと筆者は言います。

自らをアピールするというのは、ない実力を誇張したり、偽りのイメージを植えつけることではありません
(中略)
周りの目が気になるのは、本当に気にすべきことにしっかりと集中できていないときではないでしょうか。皆さんが本当に気にしなくてはいけないのは、いかにして相手の役に立つか、ただその1点です。

井上大輔『マーケターのように生きろ 「あなたが必要だ」と言われ続ける人の思考と行動』

極端な言い方をすれば、自己アピールに抵抗があるうちは、まだまだ自分本位ということ。

相手にとって価値がある、貢献できる要素があるのは大前提。しかし、伝えなければ相手にとっては「価値が無い」のと同じことです。

 

例えば私の場合、”密栓したフラスコを開けるのが上手い人”という価値を職場で提供しています。

化学の実験をしたことのある方は経験済みかと思いますが、ガラス器具同士がくっついて開かなくなることがあるんですよ(^^;

このとき、私も他の人も「開けられるよ~」と言わなければ、たたき割って中身を取り出すしかありません。
ガラス片が内容物に混入すれば、仕事のやり直しです……。

(声かけてくれないかな……できるんだけどな……)と考えていたとしても、言わなければ伝わりませんよね。

むしろ「いや、開けられるならそう言ってよ!」とツッコミたくなりません?

 

「価値を伝える」までが、「価値の提供」ですね!

 

……というわけで、私も今後はもう少し、ブログのアピールをします! 必要とする人のもとへきちんと届けるために。

まとめ:知識を実践的な知恵に変える本

マーケティング理論を日常での実践に落とし込んできた筆者の思考・方法が詰まった書籍でした。
特に仕事やSNSでの具体例が多いので、転職活動の前に読めて良かったです。

個々のケーススタディーだけでもなければ抽象的な理論だけでもない、知識と知恵の橋渡しをしてくれる内容は、思考トレーニングにも有効かと思います。

マーケティングへの興味がなくても、

  • ブログ、小説、翻訳など……文章を書く人
  • 仕事や家庭のコミュニケーションを円滑にしたい人

は本書から得られるものが多いかと思います!

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