こんにちは、しょーいです!
遅筆家の私が文章術を求めて本を読みました。
上阪徹『職業、ブックライター 毎月1冊10万字書く私の方法』です。
副題にある通り、文章を書くスピードが遅くて悩んでいる方にはぴったりの内容でした。
特に、「書きたいことはあるけれど、筆が進まない」場合にフィットします。
早く、しかも読まれる文章を書くために筆者が大事にしているのは、“一気に書くため“の仕込みを徹底的に行うことです。
本1冊を書き上げるには、原稿の種となる素材の量も膨大です。構成を考え、目次を作り、素材を仕分け、それから執筆……。
筆者によれば「素材7割、執筆3割」とのこと。
書く文章がブログ記事にせよ、プレゼン資料にせよ、企画書にせよ、通じる言葉です。
どんな文章であれ、読者を世界観に引き込まなくては読んでもらえないからです。
文章は不思議なもので、時間をかけて書いたものがいいとは限りません。
一番大事なのは“空気感をいかに込めるか“です。
では、本書のポイントを整理します。
1.素材をしっかり準備する
本を書くのだから文章力が必要だ、などと考える必要はないと思っています。それより大事なのは、素材であり、素材を見つけてくる力です。
上阪徹『職業、ブックライター 毎月1冊10万字書く私の方法』
どんなに優れた文章力がある人でも、書く内容が無ければ何も書けません。
筆者曰く、本1冊ならインタビュー10時間分の素材!Σ(・□・)
普通の人はそこまでの素材が必要になることはそうそうないでしょうが、一定量の“ネタ元“が必要なのは確かです。
「ブログの記事ネタがない……」という方は、本を読むなり映画を観るなり、素材のインプットが足りていないかもしれません。
「プレゼンで30分も喋れない……」という場合は、主張の根拠となるデータが不足しているかも。聴衆の疑問に答え切れていないかも。
文章を書きたければ、アウトプットしたい量よりはるかに多い素材を揃える必要がありますね。
この素材は、すべて外から集めなくても大丈夫です。
自分なりに考えて深く掘り下げたなら、立派な素材になります。
あとは、その考えを裏付ける資料を集めれば一通りそろいますね!
素材がなくても書き始める
「書きたいことは決まっているけど、そんなに素材がないよ!」
それなら書き始めてしまうのもあり。
素材がなかなか出てこないとウンウンうなるくらいなら、思い切って書き始めてしまう。書けるところからでいいので、書いてしまう。
(中略)
そのまま使えなかったとしても、貴重な素材のひとつになるのです。上阪徹『職業、ブックライター 毎月1冊10万字書く私の方法』
脱・完璧主義。
素材がなければ、たたき台を作ってしまいましょう。すると論理の穴や設定を練り直すべき箇所、すなわち必要な素材が見えて来るので集めやすくなりますね。
2.素材をよくよく理解する
やってはいけないのは、なんとなくわかったような、わからないような状況で先に進めてしまうこと。
(中略)
「借り物の言葉」で文章を構成してしまうようなことになりかねないのです。上阪徹『職業、ブックライター 毎月1冊10万字書く私の方法』
理解していないものは自分の言葉で言い表せない。
つまり、自分の文章に固有の空気を出せません。
他は自分の言葉で書けていると、その部分だけ明らかに浮いてしまいますね……。
3.目次を作る
キーワードを抜き出してひとかたまりにする作業です。
ターゲットとなる“読者“、「何を伝えたいのか」という“テーマ“を明確にした上で、一番伝わる章立て・構成を考えます。
これってプレゼン資料にも有効ですよね!
構成がしっかりできていると、筆が止まったり、同じことを繰り返したり、ボリューム配分をミスったりすることは格段に減ります。
私はプレゼンのボリューム配分でしょっちゅうミスるので耳が痛いね!←
4.1章分の資料を読み込んでから書く
文章を書きながら必要になったときに、資料を参照する方もいるのではないでしょうか。私もそうなんですけど。
ただ、都度資料を参照する方式だと、
- 資料捜索に時間を取られて筆が止まる
- 資料を読みふけって時間が止まる
- 文章のテンションが途中で変わる
↑こんな事態になったこと、ありますよね?
筆者の場合は「1章分のテープ起こし」を読み込んでから該当する章を執筆するそう。
先に資料を読んでおくメリットは3つ。
- 全体像が把握できる
- (何となく覚えているので)資料を探しやすくなる
- 執筆を中断しないので文章に勢いが生まれる
「素材・資料探し→執筆と平行して資料読み」とやりがちな部分を
「素材・資料探し→素材・資料読み→執筆」
ときっちり一工程ずつに分けるのが肝要ですね。
5.推敲は1ステップずつ4回する
1度の推敲で誤字脱字も、文章の流れも、分かりやすさも、あれこれチェックするのは無理です!
1周につき、チェックするのは1項目まで。推敲は2周、3周と塗りつぶしていくのが基本です。
筆者の場合は4周とのこと。
- 章と章のバランス、論理構成
- 勢い、違和感の有無
- わかりやすさ
- 句読点の位置、文章のリズム
もう1つの大事なポイントが、推敲は必ず数日寝かせてから行います。
頭を筆者モード→読者モードに切り替える時間が必要。
まとめ
人に読まれる文章を速く書くコツは、シンプルに一工程ずつ進めることです!
素材集め→内容理解→目次(構成)作り→執筆→推敲
筆をとる前に、どこまで労力をかけられるかがポイントですね。
今回参考にした上阪徹さんの書籍には、執筆前の準備方法が具体的に解説されているので、
- 素材の整理が苦手
- 構成作りが弱点
と感じる方は、1冊読んでみることをオススメします!