こんにちは、しょーいです!
2021年4月にフリーランスとなり早半年。どうにかこうにか1人の翻訳者として毎月報酬を得ています。
まだまだ至らない点はありますが、副業時代と合わせれば翻訳歴4年目。それなりのキャリアになりつつあります。
今回は、私が翻訳を実際に仕事として始めるまで、そして始めてからも役に立った書籍をご紹介します。
本記事が役に立つのはこんな方です↓
- 「翻訳者になりたい!」という方
- 翻訳者になりたいわけではないけれど、翻訳プロセスに興味がある方
- 業務でサブ的に翻訳が発生する方
翻訳という仕事について知りたい
翻訳を仕事にしたいけれど、右も左も分からない……。
そんな方には「翻訳」と名のつく仕事が網羅されたムック本がオススメです。業界の入口としてピッタリ。
イカロス出版から『通訳者・翻訳者になる本』が出版されています(写真は2021年版)。
同じくイカロス出版より季刊『通訳・翻訳ジャーナル』もオススメ。
こちらは号によって特集が異なりますので、欲しい情報をピンポイントで見つけたい場合に重宝します。
イカロス出版運営の『通訳翻訳WEB』からバックナンバーの購入もできます。
こちらの『通訳翻訳WEB』、無料記事でも役立つ記事が豊富ですので、これから翻訳業界について調べるという方はぜひ一度訪れてみてください!
ただし、これらの書籍を読んで「私も翻訳者になるぞ! 毎日が在宅勤務!」と心躍る方は気が早いです。
業界紙なので翻訳業界のことはよく分かっても、フリーランスの実態については説明不足な点があるからです。
- 社会保険料が全額自己負担とか(会社員は勤務先と折半)
- 請求書やら確定申告書やら、書類仕事が多かったりとか
- 自分のケガでも子どもの病気でも有給は使えないとか
- 納期を守るには休日仕事も当たり前とか(しかも割増賃金にならない!)
勢いづいて退職するのだけはやめましょう!!
(↑当然)
翻訳のテクニックを知りたい
「この資料、お客様に届けるから翻訳してもらえない? 英語できるでしょ?」
TOEICの点数がそれなりに高いと、会社で専門外の翻訳業務を頼まれてお困りではないでしょうか?
何を隠そう、私の翻訳者キャリアもここからスタートでした。
でも、「急に言われてもできるかー!」って感じですよね。
実際、私は当時の英語力を総動員して必死に訳したのに、大学受験以来の英文和訳の域を出ませんでした。
そんな当時の自分に贈りたい書籍がこちら。
駒宮俊友(@skomamiya)『翻訳スキルハンドブック』です。
本書はプロ翻訳者の思考プロセスを惜しみなく、しかも分かりやすい実例で解説。
- 何を考えて原文を読むのか
- 的確な調べ物をするにはどうするのか
- 翻訳作業の前に何をするのか
- 読みやすい訳文にするにはどんなテクニックがあるのか
- 校正作業はどのように進めるのか
とことん具体的なので、翻訳学習の初めの1冊に最適です♪
そもそも英語力をつけたい
「翻訳以前に、読めない英文が頻繁に出てくる……」
翻訳を仕事にしようと志したら、最初に立ちはだかる壁ではないでしょうか。読めていない文章は訳しようがないですからね。
そして英文を読むのに欠かせないのが正確な文法知識です。
私自身、TOEIC700から翻訳者を目指す勉強を始めましたが、中学・高校英語の参考書で基礎から勉強し直しました。
実際に翻訳者として仕事をしている今でも困ったことがあれば、次の2冊に立ち返っています。
『表現のための実践ロイヤル英文法』
まずは辞書的に使える1冊。
綿貫陽&マーク・ピーターセン『表現のための実践ロイヤル英文法』です。
とにかく、あらゆる文法事項を網羅しています。仕事で困ったときはまずロイヤル。
直近では「同族目的語をとる動詞」について調べました。
She smiled a friendly smile.(彼女は親しげにほほえんだ)
「smileって自動詞だよね……何で目的語とってるの……」という疑問が一瞬で氷解しました。
ロイヤル様々\(・▽・)/
巻末の索引も充実。文法事項だけでなく、英文語句から、あるいは日本語表現から引くことができます。
実物を見れば分かりますが、分厚いです。したがって、最初から最後まで通読する勉強法は挫折の可能性が高く、全くオススメしません。
(もちろん、できるに越したことはありませんが)
各章末の「確認問題」や、別売りの『表現のための実践ロイヤル英作文法 問題演習』を解き、苦手分野を読み込むのが効率良いです。
『英文読解の透視図』
2冊目は篠田重晃・玉置全人・中尾悟『英文読解の透視図』です。
(翻訳含む)仕事で読む英文は、文法書の例文のような短文ばかりではありません。
本書はまさに文法知識を読解にどう活かすかを学べる本。
英文読解の参考書は他にもありますが、本書の優れている点は解説の丁寧さにあります。
特に、多くの人が苦手とする「倒置」「省略」「挿入」「強調」は例題も解説も豊富です。
私は本書のおかげで、何でもかんでも「省略されてる気がする!」といい加減な読み方をするクセを解消できました。
今でもandやbutが2つ3つ続く英文を見ると、本書の第1章第3講「接続詞 and/but/or の結ぶもの」を思い出しながら慎重に読みます。
第3章第2講「比較対象の確定」も役立っています。「比較級なのに、than以下がない!」なんてしょっちゅうですから……。
まさに実用的な英文解釈を学べますが、初学者においては1点注意。本書は大学受験向け参考書ですが、国立難関大レベルの受験生を対象としています。
英文読解に不安がある方は、基礎的な英文解釈参考書からスタートしましょう。
まとめ
現に翻訳業界で働き始めるまで、そして働いてからも役立っている4冊に厳選して、翻訳業に興味を持つ方や翻訳初学者にオススメできる書籍をご紹介しました。
私自身駆け出しと言っていい未熟者ですが、これから翻訳を仕事にする方、あるいは今仕事にしている方のお役に立てば幸いです。